変身
更新日:05.06.19 |
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2004年12月31日/第29回
憧れの職業2
どうも〜。制服着用バイトが大好きな稲葉です。私は年に数回デパガのバイトをしています。なんでデパガかって制服を着れるから(とE男がいると思ってたから)ですよ!制服を着て売り場に出る時こう考えるんです。
(私は女優。役は百貨店に勤めるケナゲな女子店員…今日も舞台(売り場)を優雅に舞うの…。)
こんな風に考えるとバイトも楽しくなるでしょう。まあ言ってみればコスプレ気分でバイトしてる訳です。先日デパガ役に飽きていた私に友達から電話がありました。「稲葉さん前に巫女になりたいって言ってたけど、まだやる気ある?」「あるー!30前に巫女ってみたい」「バイトやる?」「キャーッやるやる!」こんな調子で念願の巫女バイトに参加することになりました。
仕事は簡単。オレンジ色の袴をはいて七五三の参拝者を神前に並べる、宮司さんに拝んでもらう、千歳飴を手渡す、以上。バイト当日カメラ持参で来た私に友達は「稲葉さんコスプレじゃないんだよ」と言いましたが、既に私の頭の中は巫女の役をもらった女優なので軽く流しました。さァ今日の役は神社に勤める清純な巫女!セリフは1つ「御名前を呼ばれた御家族から順に神前にお進みください」だけですが、今回は経ち振るまいが決め手!
神に使える清い女性を演じきらなければいけません。
最初は順調に清い女を演じていましたが、大騒ぎで写真を撮りまくる親や、宮司を陰陽師と勘違いしたのか泣叫ぶ子供、態度の悪い893一家等を相手にしているうちにキレそうになり、心の中だけで「タチの悪い霊でも取り憑かせてくれるわ!」と念じてみましたが偽巫女なので出来ませんでした…。更に数時間経つと宮司さんが読む祝詞が子守歌に聴こえてきました。「このままでは巫女失格だわ!」と思った私は必死で脳内DJにジュリテクをリクエストし、頭の中のお立ち台で扇子を振って踊ってみましたが眠気は一向に覚めません。顔をひっぱたいたり頭を振っていると宮司さんに「眠いんじゃないですか?」と優しく微笑みかけられました。
「えっ…、宮司さんカッコE!」
なんで気がつかなかったの!? 宮司さんスゲーE男じゃないのッ! 私は頭の中のお立ち台から降りて『宮司と巫女の禁断の恋』に脚本を変更し始めました。こうなるとさっきまで子守歌だった祝詞が甘い恋の唄に聴こえてきます。「帰りに絶対写真撮らせてもらうからお願いね」と友達に言ったら「稲葉さんまたミーハー病?」と言われましたが軽く流しました。仕事が終わり更衣室の鏡で己の巫女っぷりにニヤニヤしていると廊下から友達が「稲葉さん!
宮司さん私服になってるよ! 早く早くッ」と声をかけてくれました。「マジでッ!? キャーッ写真撮らせてくだ…」
「ダッセーーーーッ!」
宮司の私服が物凄いダサさでした…。どんな格好だったかは実際そういう格好をしている人もいるやもしれないので詳しく書きませんが…しいて言うなら「お母さんが大型スーパーのワゴンから買ってきた服を着ている男子中学生」or「鉄道大好き中年男性」ってところでしょうか。女の子100人に「この服どう思う?」って聞いたとしたら100人が「マジヤバーい」と答えると思います。(宮司さんスイマセン、でもマジヤバいです)
見なきゃ良かった…。ずっと陰陽師のままでいてくれたら夢から覚めなかったのに…。「制服の魔力って凄いな…」と思いながら清い女を脱いで帰途についたのでした。
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