変身
更新日：05.06.19 |
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毎日一時間以上の散歩が私の日課です。天気の良い日は二時間近く歩くこともあります。ただなんの目的もなく歩いて景色を見たり、道ゆく人を見たりするだけですが何かしら得る物があるものです。人の多い所を歩くことはあまり無く、畑や細い路地を好んで歩きます。そうすると小さな発見をしたりしてなかなか楽しいのです。いつも歩いている道で気がついたのですが、必ず鳥のフンが大量に落ちている場所があるので気になって上を見てみると…ほらね、ハトの巣がありました！ こんな小さな発見です。こんな調子で駅までの近道（ほんの数分早く着くだけの）を見つけたり、なぜかアルファベットで「TO・RI・GO・YA」と書かれた、かつてニワトリ小屋だったと思われる小屋を見つけたりして密かに喜んでいるわけです。まぁ人に得意気に話すまでもない『暇人の発見』です。
下を向いて歩いていると落とし物を拾うことなんかもあります。前に可愛いキーホルダーの付いた家のカギを拾いました。「きっとカギっ子が落したんだ…困ってるだろうな」と思い交番に届けたら、夕方になって女の子から感謝の電話がありました。カギさえ拾わなかったら一生関わることのなかった子だと思うと、なんだか凄いことをした気がしてきます。500円玉やブランド物のマフラーを拾ったこともあります（大切に使います
有難うございました）。
他人の幸運を拾ったこともあります。人通りの無い道で10メートル程先を急ぎ足のおばさんが歩いていました。そのおばさんは自動販売機の前で立ち止まり何か飲み物を買って、またいそいそと歩き出しました。その自販機は当たりクジつきでピピピと音をならしてルーレットを回しはじめました。誰も居なくなった路地で機械の音声がしゃべり始めます「オメデトウゴザイマス
30秒以内ニ オスキナドリンクノ ボタンヲ 押シテクダサイ」。私はおばさんが路地の角を曲ったのを確認してからダッシュで自販機に駆け寄り適当なボタンを押しました（選んでいる時間が無かったのです）。出てきたのは『ビタミンC組』という普段なら買うこともないだろう飲み物だったので「あーあ、ウーロン茶にすればよかった」と思いながら一口飲んでみたら結構おいしいじゃないですか、この道をこの瞬間に通っていなかったら一生知らないで過ごす味だと思うとかなりおトクな気分です。
人の優しさをみて幸福になることもあります。川沿いの遊歩道を歩くのが好きで、お昼頃に歩いていると運送業の人や土木業の人がトラックで昼食をとったり眠ったりしているのを多く見かけます。いかつい顔をした怖そうなおじさんが奥さんの手作りと思われるデカいお弁当を食べながら、窓から米粒をほおってハトにエサをあげているのを見ると「きっと奥さんにも優しいんだな」と伺えます。トラックの周りにハトが群れてポッポーポッポー鳴いているのを聞きながら眠っていました。
人の秘め事を私だけが見てしまうこともあります。駅前で携帯を見ながら歩いているサラリーマンの後ろを歩いていて気が付いたのですが、実はそのサラリーマン、携帯で前を歩いている女性のケツを見ていました。ムービーモードの録画していない状態で見ていたので「カシャッ」という音も出ていません。気が付いていたのは世界で私だけです。かなり一生懸命で見入っていて自転車にぶつかりそうになり「スイマセン、スイマセン」と謝っているところから「この人普段は真面目なんだろうな」と伺えます。私だけが知っている彼の秘密だと思うと嬉しくなってしまいました。せちがらい世の中ですが、まだまだ面白いことや幸せなことはあるようです。
一言リンク集
コチラの山田屋さんのHPの『24自販機』コーナーに色々な自販機モノが紹介されています。面白いですよ！
山田屋
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