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2004年8月28日/第27回
幸せの鳥2(突然の出会い偏)
 ちょっとアルバイトしたり仕事したりで3ヶ月ぶりのウ−ウ−です。しばらく放置プレイをしてしまったので日記の書き方を忘れてしまいました稲葉早苗です。もう読者の皆様に忘れ去られ「あの人は今」状態かもしれませんがちゃんと生きています(バイトで)。
 さて本題。去年の今頃の日記にムクドリ夫婦の話を書きました(6月17日『幸せの鳥』参照)。もう来ないだろうと思っていましたが今年も同じ場所にムクドリが巣を作ったのだ。同じムクドリかどうかは不明ですが五月の半ば頃からせっせと巣作りをしている様子…去年はせっかく卵を生んだのにカラスに卵を食われてしまうという残念な結果に終わったので気を付けて観察しておったのです。二度と同じ悲しみを味あわせる訳にはいかない! 私はカラスが近付くたびに『みんなで春をまってみないか』で活躍中の稲刈早苗人形で威嚇する等して自分なりにムクドリ夫婦に協力をしておりました。稲刈早苗人形は1mのアクリル棒の先についているのでかなり接近することができ稲刈を近付けると一発でカラスは逃げました。そしてムクドリも驚いて一緒に逃げました。
 6月中旬になると巣からエサをねだるヒナの鳴き声が聞こえるではありませんか! どうやら3匹以上はいる様子で親は忙しそうにエサを取りに出掛けています。「今回は無事に生まれたんだなぁ」とホンワカした気持ちで巣を眺めておりました…ところが今回も事件は起きてしまったのです。
 ある日の昼下がり、バイトが休みだった私が散歩から帰ってくると祖父が庭でオロオロしていました。「何してんの」と訪ねると「植木の間にヒナがいる」と言うではありませんか。何を言っているのか解らずフト植木に目をやると灰色の丸い物が動いている…まぎれもないムクドリのヒナでした。「ひぇ〜ッ!」どうしよう! 巣に返すことを考えたましたが巣は隣の家の2階、屋根と壁の隙間に出来た穴の中に作られているので絶対無理でございます。ヒナは私と祖父を威嚇してギャ−ギャ−鳴きわめくばかり…ほっておくわけにもいきません。とりあえず洗面器に雑巾を敷いてヒナを入れ逃げない事を確認。「とりあえずコレでヨシ!」安心しているとさっきまで騒いでいたヒナは具合でも悪くなったのかグッタリしているではありませんか! 約5mの高さから落ちたのだから足でも打ったのかもしれない…病院につれていくべき? お腹空いてるの? なんかコイツ凄い臭いんだけど! 私は混乱しながらも小学生の時に買ってもらった『学研の図鑑−鳥−』を開きました。図鑑によると__ムクドリのヒナはミミズなどで育てられる__と記してあります。「つーことは肉食だ!」私は冷蔵庫から魚肉ソーセージを取り出し、包丁でミミズ状に切って湯通しして塩味を抜いてから割り箸でヒナの口元に近付けました。
ヒナ「ピィ−! ピィ−!」(近付くと臭いんですよ)
稲葉「はいはいはい! ミミズでちゅよー(ウソ)食べてくだちゃいねー」
 食べてくれない…どうしよう! …まてよ、親のクチバシが黄色だから黄色の箸でやったら食うんじゃなかろか。黄色い箸で再挑戦すること約10分。「食った! ヤッタ−!!」(達成感)
 ヒナは魚肉ソーセージをたらふく食って腹がいっぱいになるとすぐにデカいクソをして寝ました。どうやらエサさえもらえれば鳥だろうが人間だろうが関係ないらしい、たくましい生き物でございます。もしかしたら親鳥が心配しているかもしれないと思った私は2階の窓から巣を見てみましたが親鳥はヒナが1匹いなくなったことに全く気付かないようで呑気にエサを探しに飛び回っておりました。「って事はウチでしばらく面倒見るしかないのか…トホホ」面倒な事になったな、という顔をしながら内心は宝物が手に入ったような気持ちでヒナの為に魚肉ソーセージを買いに行ったのでした。

 後編に続きます。

一口写真集


臭いヒナです。

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